ここ夏文庫
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 |
桜、早すぎる春 -14-
詩織があんぐりと口を開けて驚いていると、善文は笑った。

公家のように「ふふふっ」と。詩織も笑った。この人、前世は絶対に公家だよ。


その時、善文の携帯がピリリリっと鳴った。

「おっと」

善文はパンツのポケットに入れてあった携帯を取り出す。

「はい」

白川郷で会ったときに持っていた携帯とは違っていた。

「ぃやっ」

ん?詩織は聞き耳を立てるつもりはなかったが、つい善文の方を見てしまった。

電話の相手と英語で話しているようだ。

善文はあっちを向いたり、中腰になったりせわしなく動いた。電波の調子が悪いのだろう。

ついに

「ちょっと、すみません」

と店を出て行ってしまった。


詩織は足を組んで、ぶらぶらさせてみた。

今度はヒールが落ちないように、つま先を上に向けたまま、ぶらぶら。

また目の前の料理の洋書が気になった。

どんなことが書いてあるのか気になるのだ。

自分で作ってみたくて広げてみたいのではない。


「すみません」

善文はすぐに戻ってきて、椅子に座るなり言った。

「僕の同期が今から来るそうです。断ったんだけどどうしても、と。

佐倉さん、いいですか?」

予想外だったが詩織はOKした。

「本局でCG作ってるやつです。本当は今日、チェックするはずだったのを

僕がすっぽかしたので」

善文は眉間に皺を作ってすまなそうな顔をしている。

「行かなくていいんですか?」

詩織も心配顔を作ってみる。そんなのは知ったこっちゃないわ、と心で思いながらも。

「別にいいんです。本当はOKが出てるのに、

もっと懲りたくて勝手に作ってるだけですから」

「そういう職人気質の人、たまに居ますね」

詩織は局のメンバーの顔を幾つか思い浮かべた。


「聞いてもいいですか?」

善文が改まって言った。

「どうして、環境問題を取り上げようと思ったんですか?」

「それは。企業秘密にも触れるので」

「ああ、そうなんですか?」

「ええ。直結です」

詩織はビールを飲んで笑った。笑ったが、すぐに笑顔でいられない心境になった。

「シロクマが」

「え?」

「シロクマが、北極で死んでいるんです」

「シロクマ?」

「ええ、シロクマ。ホッキョクグマ。北極の氷が溶けて、

彼らは海に沈んで死んでいるんです」

そのあと、善文は何も聞かなかった。

すっと通った鼻筋の横顔を詩織に向けて、足を組んだ。


この話題は重すぎだな、と詩織は思った。酒の肴にしていい問題ではない。

不謹慎な気さえする。

ふう、っとため息をひとつついて、詩織は善文を見た。

「私も聞いていいですか?」

「なんでしょう?」

「田辺さんのその、左手の薬指。どういう意味ですか?」

「えっ?」

善文はひどく驚いたような声を上げた。


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません
スポンサーサイト

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/29 00:01】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -13-
「ないわけじゃありません」

善文は相変わらず足をぶらぶらさせながら言った。

「でも僕、デジタル制作担当なんです。何かひとつを

自分のテーマにする、ってことがないんですよ」

その目は少し寂しそうだった。

「デジタル制作、って、つまりハイビジョンですよね?」

詩織が聞くと、善文は頭をがっくりと前に落とし、首を横に振った。


「違うんですよ。ハイビジョンだけじゃない、ってこと」

善文は自分が作ってきた番組のタイトルを言った。その中には

テレビ番組以外のもの、例えば夏に空港で流していた

「守り継ぐ日本の美」のような環境映像もそうだ。

教育チャンネルのCD-ROM構成をすることもあるそうだ。


「環境問題については真剣に取り組んでます。NHK全体で。

でも僕が何かできるかと言ったら、何もできない」

「そうでしょうか?」

「佐倉さんは何ができますか?」

「私は…」

詩織はテーブルに置いてある割り箸を手にした。

「コンビニに行ったらエコバックに入れて持ち帰ります。

コンビニ袋は断るようにしています。始めたばかりですけど。

そう意識することが大切なんだと、教わりました」

「誰に?」

「地球に。温かくなっていく地球にです」

善文は足をぶらぶらさせるのを止めた。詩織は続けた。

「でもね、マイ箸は持っていないんです。箸は廃材から

作っていると言うじゃないですか?もしそうだとしたら、

割り箸は使うほうがエコなんです。伐採された木のために、

全部を利用するほうがいいと思うんです」


「それと、テレビの義務とは関係なくないですか?」

善文の声は小さく低く響いた。

「直接的には。今言ったのは、私が一人の地球人として

できることです。これは誰にでもできることです」

詩織は持っていた箸を置いた。

「でも私には違う力、というか…違う機会が与えられています」

「なんですか?」

「温かくなっていく地球の姿を、テレビを通して世界に知らせることです」


善文はテーブルに頬杖をついて、詩織を見た。善文の目は

詩織の目の奥に隠してある物でも探すかのように、あっちこっちに動いている。

「それで、今、どんな番組を作ろうとしているんですか?」

詩織は笑った。

「田辺さん、私たち同僚じゃないんですよ。言えるわけないじゃないですか」

詩織が笑ったのを見て、善文も笑った。

「そうでしたね。僕、つい夢中になっちゃって忘れてましたよ。

今日話したことは、お互いオフレコですね」

「もちろんです」


「あ、だけど」

詩織はパンと手を叩いた。

「なんですか?」

「田辺さんもエコバックにするといいですよ。それは今日からできるエコですから」

善文はテーブルから離れると腕組みをして笑った。

「エコバック?僕は前からコンビニ袋は使いませんよ。

買ったものは全部手で持って歩きますから」


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/25 23:46】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -12-
そんな二人のあいだに店員が割って入った。

「おからコロッケとビールでございます」

善文はおからコロッケの皿を受け取り、詩織は自分の前に

ビールグラスが置かれるのを待った。

「おからコロッケ」

善文が皿を詩織の近くに置いた。

「食べてみてください。珍しいでしょ?」


詩織が箸に手をつけずにいると、善文は自分の箸で

コロッケを半分に割り、その半分を自分の皿に移した。

一口大に箸で割って善文はパクっと口の中にコロッケを

放りこんだ。熱そうにはふはふしている。

詩織は残った半分から一口大を箸で取り、無防備に口の中に入れた。

「あふっ」

詩織が想像していた以上にコロッケは熱かった。

口から出してしまいたいほどだ。何度も何度も口を開けてフーフーしながら、

ようやく断片を飲み込んだ。

「熱すぎですよ。おからって熱効率いいんですね」

「ぐふっ」

善文は二口めのコロッケを口にしたところで、詩織に笑わせられた。

何か言いたげに大急ぎでコロッケを食べているのが分かる。

「ねふ。熱効率ってなんですか。ほんと、佐倉さんの表現は幅が広いですよね」


「そうですか?」

詩織はぶっきらぼうに答えた。「熱効率」という言葉は

最近、よく使うようになった。そう思う。


善文はコロッケが口からなくなると言った。

「地球環境問題ですけど」

「ああ!」

話が途中であったことを思い出した。

「どうしてNHKの放送義務なんですか?」

善文がビールを飲む。詩織もつられて飲んだ。そして

「NHKというか、メディアの義務だと思っています、

本当は。でもその中でも、視聴料とってるNHKは特に

積極的に報道して行くべきだと思ったからです」

「なるほど」

「そう思いませんか?」


善文はしばらく言葉を選んでいるかのようだった。それから

形の良い指を動かしながら話し始めた。

「ひとつに、環境問題を報道することについて。義務か

どうかは考えたいところですね。そしてふたつめに、仮に

義務だったとしたら、それはNHKが先頭に立ってやることであるかというのは、

別問題だと思います」

詩織はうなづいた。

「そうですね。義務だと考える人はまだ少ないと思います」

「少なくとも、佐倉さんにとっては義務なんですね」

詩織はにっこりして善文の目を見た。

「そうです。私はこれから環境問題を取り上げた番組を

作りたいと思っています」


善文は組んだ足の上で指を結んだ。また足をぶらぶら。

「いいですね。取り組むテーマがあるということは」

「田辺さんはないんですか?」

詩織の脳裏には、あの白川郷の映像があった。そこには

義文が投げかけるメッセージが確かに表現されていた。

あんなに素晴らしい番組を作るのに、善文は何が気に入らないのだろう?


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:45】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -11-
「でもそうですよね。NHKが環境問題を取り上げるのは

ある意味、義務だと思いますよ」

詩織は残りのビールを空にしながら言った。

「義務?」

「そうです、義務。NHKは災害時とか、絶対に特番で

状況報告をする義務がありますよね。それと同じだと思うんですよ」


「うーん」

善文はまた足をぶらぶらさせた。

「それはつまり、数字(視聴率)は関係ない、って意味ですか?」

「そうです!もちろん!」

詩織は空のグラスをまるでマイクでも向けるかのように善文の前に突き出して言った。

「私たち民法は数字取らなきゃ番組作れないんです。でも

NHKなら良質な情報のためにお金かけられるでしょう?」

善文は足をぶらぶらさせながら苦笑した。

「NHKだって同じですよ。数字で予算が決まるんだから」

「そうなんですか?」

「数字が取れたディレクターは次の番組の予算も多く

取れるんです。それは同じじゃないですか?」

「民放は、スポンサーがつかなきゃ予算は取れません」

詩織はぷいっと顔をそむけるとグラスをテーブルに置いた。


「あ、佐倉さん、グラスが空いてますね。ビールでいいですか?」

善文はすっと右手を上げた。店員がさっと現れた。

「ビール、もうひとつ」

形の良い善文の指が、詩織の空けたグラスをつかみ、

店員の手に渡された。このとき、詩織は初めて善文の

左手の薬指に気がついた。善文のグラスを持つ手を追うように、

顔が下から上へと移動する。

「ビールじゃないほうが良かったですか?」

善文がそれに気付いて聞いた。詩織は自分の頭が無意識に

動いていたことにはっとした。

「いいえ、ビールでいいです」


しかしその返事も上の空だった。善文の左手の薬指。

そこにはシルバーの大きな指輪があった。白川郷で会ったときには

していなかったはずだ。一年半のあいだに、結婚したのだろうか?

しかしそれを否定したくなる要素があった。それは指輪がドクロの形であるということ。

しかもかなり大きいということ。結婚指輪とは思えない。

でも左手の薬指である。彼女からのプレゼントだろう。

でなければ、わざわざ左手の薬指にするはずがない。


詩織はなぜだか急に白けた気分になった。もちろん、

善文に恋人が居ようと居まいと関係ないはずである。

なのに、とても白けた。会話がひどくつまらないものに感じてきた。

詩織は右の足を左足に組んで、善文がしているようにぶらぶらと

揺すってみた。普段は履かないゆるめのハイヒールがコロンと落ちた。

「あ」

詩織は慌てて履き直すと足を組むのはやめることにした。

善文はそんな詩織の行動を、テーブルに頬杖をついて黙って見ていた。


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:44】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -10-
うふふ。詩織はつい笑ってしまった。

「今までそんなふうに言われたことありません」

それに善文が詩織のそんなところを気に入っていたとは

想像もしなかった。詩織もビールに手を伸ばした。

「でも、そう言えば」

ビールグラスを口元まで運んでおいて、詩織は首を傾げて

数日前のことを思い出していた。


「でも… なんですか?」

善文は足をぶらぶらさせながら詩織の言葉を待った。

「うん、BSの番組タイトルを決めるとき…」

「BS…デジタルですね?」

「当り前じゃないですか!私は日丸テレビですよ!やだな田辺さん、NHKぶっちゃって」

「あー、いいえ、そういうつもりじゃなかったんですが、

つい… それに僕、NHKだし。ふふっ」

詩織は頬をふくらませてみせて、それからビールをあおった。

「佐倉さん、やっぱり酒、いける口ですね」

善文が両手を揉んで嬉しそうに言った。

「好きですよ。たしなむ程度ですけど」

詩織はそう答えると、またぐいっとビールを飲みこんだ。


「そのBSの番組タイトルって?」

「ああ」

詩織は話題が戻ったことに驚いた。詩織の周囲には、

話の腰を折って自分の話題にばかり走る同僚が多い。

こんなふうに男性に問い掛けられるのは久しぶりな気がする。

これが会話のキャッチボールというものか。何だか嬉しくて気分がのってきた。

「今度、BSで地球環境問題やるんですよ。うちの局で

こんなにでっかく取り上げるのは初めてなんです。そのタイトル…。あっ」

詩織は慌てて口をつぐんだ。しまったと思った。他社にもらしていい

企画ではなかった。まだ早すぎる。案の定、

「日丸さんが環境問題ですか?」

善文は抜かりなく突っ込んできた。

「すみません、聞かなかったことにしてください」

詩織ははしゃぎすぎたことを後悔した。


善文の表情からも笑みは消えていた。首を右に左に、

交互に倒しながら、両手を合わせて手首をぐいっと前に突き出し

「でも、聞いちゃいました」

と言った。

「すみません、忘れてください。ほんとうに」

詩織は自分の軽率さを呪いながら、善文に身体を近付けて

ビールグラスを持ったまま祈るような姿勢になった。

「僕は直接、環境問題は扱ってないですけど…でもそれって

うちとしてもかなり力入れてるプロジェクトなんですよね」


「え?」

今度は詩織が驚く番だった。「プロジェクト」なの?

「あっ」

善文も口を滑らせたことに気付き、慌てて前に突き出していた両手を口に当てた。

しばらく二人はそのままのポーズで互いを見詰め合った。

にらめっこだ。

「ぷっ」

勝負は詩織の負けだった。


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:43】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -9-
ドキっ。詩織は言葉の意味をとらえ損ねた。なんだろう。

どういう意味かしら。聞いてみたい。でも、なんだか怖い。

詩織は聞こえない振り、関係ないという振りをしたまま

グラスを傾けていた。

「ふふっ」

善文はそんな詩織を見ながら頬杖を突いて、組んだ足をブラブラさせた。


「こ・・な・・ばになり・・」

二人のあいだに割って入って、店員がひとつ目の惣菜を置いた。

小声で早口だったので、詩織には何だか聞きとれなかった。

「ビール、おかわり!」

善文はビールグラスを店員に渡した。詩織はそんなことにはそっちのけで、

初めてみるその姿に皿に顔を近づけて聞いた。

「なんですか、この伊達巻がとろけたようなものは」

善文は椅子にのけぞり胃に手を当てて笑った。

「ほっほっほ!」

その声も表情も楽しそうで、満足そうだ。

「なんですか、ねえ、そんなに可笑しいですか?」

詩織もついつられて笑う。

「それ、湯葉です。なまゆば」

「え?湯葉?湯葉をなまで食べるんですか?」

「けっこうイケますよ」


善文は真顔に戻って自分の割り箸を割り、机に積まれた

取り皿に湯葉をふたつ取り分けると詩織に渡した。

「ありがとう」

詩織は初めて見る食べ物の方に気を取られて、善文の

左手の薬指に気を回すことができなかった。

なま湯葉なるものを見詰めながら箸を割り、また皿に顔を近づけた。

箸で湯葉の真ん中を押す。切れない。転がしてみた。

しかし切れない。

「一口でいくしかないですよ」

頬杖を突いたまま善文が言った。

「そうですか?では」

詩織はぐにゃぐにゃで掴みどろこのない湯葉を箸で無理

やりに畳みこんで、左手を添えてぱっと口に放り込んだ。

「ん?」

「ん?」

「んー、淡白ですねえ。味がしない…」

それを聞いて善文はまた笑った。

「味がしないことないでしょう。この繊細な味が分からないんですか?」

「分からないことないけど、あ、このとろっとしたところが

美味しいですね、蜜ですか?」

詩織は皿に残ったもうひとつに箸をつけようとした。


善文に二杯目のビールが届いた。善文は受け取るとすぐにビールに口をつけ、

美味しそうに微笑んだあと

「ほんと、佐倉さんて表現豊かで面白いですね」

「は?」

箸をつけかけた手を止め、善文にさっと視線を向ける。

「伊達巻がとろけたとか。白川郷に着いたとき、何て言ったか覚えてますか?

まるで箱庭に入っちゃったみたいって言ったんですよ。

面白いこと言う人だなーっと、ずっと思ってました。佐倉さんと居ると、楽しいだろうな」


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:42】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -8-
え?

詩織は驚いた。あのときの誤解を謝ってもらおうとは

今さら全然思っていない。それよりも、詩織が偶然にでも

善文の番組を成田空港で見たことを告白しなければならないのか、

そのことで頭が混乱した。


善文は視線をすっとビールグラスに移した。

「やっぱり、怒ってますよね」

詩織はますます何と言っていいのか分からなかったが

一生懸命、言葉を選んだ。

「いいえ、あの、全然、謝る必要ないです」

善文が、申し訳なさそうな目を詩織に戻す。

「絵コンテを見たのは事実ですから。あ、でもあのコンテを

横取りしたような番組企画はしてませんよ。本当です」

詩織はなんだかんだいって、自分があの誤解を気にしていた自分に気付いた。

「企画を盗もうと思ってコンテ見たわけじゃないですから」

今度は詩織が善文の視線を外し、泡が消えていくビールグラスを見た。

泡が消えていく。早く飲まないと美味しくない。なのに、

なぜ私は今、こんな不愉快な話をしているのだろう、

詩織はそんなふうに思った。


「あのあと、分かったんです」

善文の声は小さくて、独り言のようだった。

「五箇山で取材が終わって、コンテを整理したときに」

詩織は黙って聞いていた。

「コンテの順番がバラバラになってました。最後のページには

土が着いていて…僕は貴女にとんでもないヌレギヌを着せた上に、

失礼なことを言ったんだと」

確かに詩織はあのときとても動揺した。悲しかったような気もする。

しかし、善文の番組を見たときに、全ては終わって、許す気になっていたのだ。


「ずっと、謝りたいと思っていました」

善文は言葉をひとつずつ、丁寧に最後まで発音した。

詩織は頷いた。

「謝ってもらう必要はありません。誤解が解けていれば

それでいいんです。それに、もう二度と会うことはないと思ってましたから」

そう言うと、詩織は自分で自分が可笑しくなって、善文の方を向いて笑った。

善文は安堵したように目を細めた。

「悔しかったですよ、同じ日に取材に行ったのに、完敗なんだもの。

さすがNHK-EPだと思いました。コンペ圧勝、おめでとうございます」

詩織は本当に嬉しい気持ちになって、グラスを善文の方へ差し出した。

善文はもっと目を細め、グラスを持った。

カチン。

この乾杯は、本当に二人が理解し合えた証拠だろう。


善文はビールをいっきに明けた。そして嬉しそうに笑いながら言った。

「僕は、絶対にもう一度会えると思ってました」


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:41】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -7-
グラスにビールと泡は7対3。詩織はこれは譲れない。

この店の泡はやや少なめだが、合格点としよう。そんな

ことを考えながら2口目のビールを楽しもうとしたとき、

善文がふふっと笑った。詩織はグラスに2口目をつけず、

善文を見ながら首をかしげた。善文は詩織の方に

投げ出していた足をもう一方の足に組んで、テーブルに頬杖をついた。

コンパス、長っ!詩織は改めて思った。


「なに?」

善文が何も言わないので詩織が聞いた。

「いや。何を考えてるのかな、と思って」

善文の笑顔がやや暗めの灯りの下で優しかった。


店員がつまみのオーダーを取りに来た。善文はメニューを

指差しながら2品を注文した。何を選んだのか、

詩織には見えなかった。しかし気にもならなかった。

善文がオーダーしているあいだ、詩織は目の前の棚を見ていた。

壁に埋まったような2段の本棚だ。棚は4つに区切ってあって、

かなり大きな本が数冊ずつ納まっていた。全て洋書だ。

調理の本、絵本、絵画の本、それとよく分からないもの。

本のないスペースには、やはり海外の物と思われるおもちゃがデコレートされていた。


詩織は目の前にある料理の本の背を突いていた。

興味はない。でも広げてみたい気もする。そうしているうち、

善文が注文を終えて詩織の方を向いた。


「料理に興味があるんですか?」

「いいえ、ぜんぜん」

「え?ほっほっほ」

善文は楽しそうに笑った。何がそんなに可笑しいのか

詩織には全く分からない。

「可笑しいですか?」

「いや、別に。ちなみに僕は、料理上手いですよ」

笑いながら善文はビールを半分空けた。


「久しぶりですね」

ビールをテーブルに置いた善文の言葉は唐突だった。

触れてはいけない話題のような気がしていた詩織は、

その言葉があっさり善文の口から出たことに戸惑った。

「デジタル放送シンポジウムにはいつも来てたんですか?」

また急に話題が変わったような気がした。

「え?あ、いいえ、今年が初めてです」

詩織は緊張した子供のように、たどたどしく答えた。

「いやだな、佐倉さん。前の印象と全然違う」

善文はやや大きな声で笑いながら言った。

「なんていうか、もっと男らしいというか、ものおじしない

人だと思ってましたよ」

それは褒め言葉なんだろう、と瞬時に思うことにした。


「その節はお世話になりまして」

詩織は軽く髪をゆすってみせた。善文は表情も変えず

「どういたしまして」

そしてテーブルに置いたグラスを手に取ると、詩織の手のグラスに

カチンとぶつけた。そして

「あのときは、すみませんでした」

と言った。


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:40】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -6-
少し歩くと善文は通りの右側にある店を指差した。

「あそこです」

店は地下にあるようだが、メニューの看板が外に立っていた。

洋風居酒屋という感じだろうか。

善文が先に階段を降り、店のドアを開けた。手を胸の高さで折り、

詩織に先に店に入るように促した。


店は想像していたよりもずっと暗かった。ソファーの席、

壁に向かったカウンターのような席、黒のモダンなテーブルと椅子の席。

同じ造りの席はひとつもなく、それぞれに趣向が凝らされていて、

電灯も様々、明るさもそれぞれ違っていた。


「あそこでいいですか?」

善文が指差した席は木で作られた椅子が二つ横に並んだ、

古い図書館を連想させる明るい席だった。

「はい」

店の奥には天井からたおたおとした半透明のカーテンが垂れた

ムーディーな席もあり、広い空間なのに一組のカップルが

寄り添うようにソファーに座っているのが見えた。


善文は抱えていたジャケットを椅子の背にかけた。

詩織もベージュのジャケットを脱ぐと、善文のしたように

椅子の背にかけた。詩織が腰をかけようと椅子を引いたときには、

善文は既に椅子に半分腰を下ろし、メニューを広げていた。

「僕はビールにしますが、佐倉さん、どうします?」

「私もビールでいいです」

詩織は腰を下ろしながら答えた。


「すみません、ビールふたつ」

善文は慣れたように、店員に声をかけた。

「はい」

どこからともなく店員の声が聞こえた。詩織は声の主を捜そうと、

座ったまま振り返ってきょろきょろした。しかし

店員がどこに居るのか、まるで分からなかった。


「もしかして、おなか空いてます?」

善文が尋ねた。

「いいえ、そんなに空いていません。いつもはこんな時間に

夕食とりませんから」

「そうですよね」

善文はきれ長ほそ面、美形公家顔で笑うと、

メニューから適当につまみを選んだ。


ビールが運ばれてきた。突然背後に人が現れたような

気がして詩織は驚いた。善文がまたふふっと笑った。

「じゃあ、二人の再会に、乾杯」

善文は椅子の角に座って身を詩織の方に向けたまま

無邪気にグラスを上げた。

「乾杯」

詩織は突然に一年半前に戻って、さっきまで善文と話して

いたような錯覚に襲われながらグラスを上げた。


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:39】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -5-
「こっちです」

善文はバス通りまで出ると渋谷C.C.Lemonホール(旧渋谷公会堂)の角を右に曲った。

なだらかな坂を下り、NHK放送センターの西門へ通じる道にぶつかった。

東の門は見学者がほとんどで、この西門がNHK各社員の通用口であり、

出演者の入口でもある。

善文はこの通りを渡って、さらに西へと続く細い道に入って行った。

自動車一台、通れない道である。


不思議なことに、この細い道沿いに店が幾つもあった。

なるほど、NHKの人しか知り得ないだろうな、と思うような裏道だ。


細い道に入ると、善文は詩織の横に並んで、詩織の歩幅で歩いた。

ジャケットを両手で前に抱えている。

「最後のディスカッション、どうでした?」

感想を求めるというより、内容を尋ねているようだった。

「うーん。デジタル放送がテレビか携帯か、あとパソコンも。

どの媒体にでも通用するには?なんて難しいこと話してましたよ。

携帯でテレビ、見るんでしょうかね?」

詩織は本気で疑問で思ったことを口にした。

善文は笑った。ほっほっほ、と。ああ、そう、例の公家っぽい雰囲気で。


佐倉詩織が田辺善文と会ったのは一年半前の秋だった。

航空会社が空港で放映する映像の制作を発注するコンペで、

偶然にも同じ「白川郷」をテーマにして争った。

その取材の際、詩織の日丸テレビのカメラマンに不手際があり、

ひょんなことからNHK-EPのディレクターである

田辺善文と2日間、取材を同行することになったのだ。


詩織は善文を、自分より2歳くらい年下だと思っている。

その彼がたった一人で番組企画をしていることに感心していたし、

またどこかで劣等感も持っていた。

一年半前、詩織が善文の企画書とも言える絵コンテを

見てしまったことから誤解が生じ、二人は「さようなら」も

言わないまま別れた。


それ以来の再会だった。善文はコンペに圧勝し、見事な

番組を成田空港国際線ロビーで披露した。詩織も偶然、

その番組を見た。画面の美しさと番組が訴えるテーマの

深さに詩織は感嘆したのを覚えている。そしてたぶん、

詩織は善文の企画を盗もうとして絵コンテを見たのでは

ない、と善文が分かってくれたのだと思った。


そうだとしても…善文とどんな会話をしたら良いのか、

詩織は少し戸惑っていた。


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:37】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -4-
詩織はホール中央辺りのもとの席に戻り、最後のパネルディスカッションを聞いた。

地上デジタルとワンセグ。

これらはどう動くのか。携帯電話は世界規模のサービスを実現できるか。


聞いていて、詩織は何でも出来るように思った。

技術は先へ先へと進んでいる。コンテンツはどうだろう?

詩織がこれから作ろうとしているテレビ番組も変わってゆかなければならない。

大きな課題を突きつけられた気分で、詩織はプログラムを最後まで見届けると、

人の波に押されるようにホールをあとにした。


ホールからバス通りまでは広い歩道で結ばれている。

陽は落ちかけていたが、歩道にはダンスを踊る少年たちの姿でいっぱいだった。

詩織ももう少し若かったら踊っていたかもしれないな、と呑気なことを考えたら、

歩調がいつもよりのんびりになった。今年も春がきたんだね。

めったに見上げない空を仰いで、詩織はぶらぶらとバス通りに向かった。


「佐倉さん」

突然、遠くから声をかけられて、詩織ははっと我に返った。

足を止めて、あとにしたNHKホールを振り返る。


善文だった。皮パンのポケットに両手を突っ込んだまま

スッスと走って来る。脇にはジャケットを抱えていた。

善文はコンパスも長いなあ、と改めて思った。

「局に戻るんですか?」

あっという間に詩織に追いついた善文が聞いた。

戻ろうと思っていた。家に帰るにはまだ微妙に早い時間だし、

席に戻ればやるべき仕事は沢山残っている。

しかし、空を見て黄昏れていたら戻る気が失せた。

このまま、どこかに行ってしまいたいなあ…


詩織は善文の顔をぼんやり見ながら答えた。

「戻ろうかと思ってたんだけど…やめようかな」

それを聞いて善文はニコっと笑った。

「じゃあ、ちょっとだけ飲みに行きませんか?この辺なら

いい店、いっぱい知ってますから」

詩織は断る理由は無いと思った。善文とはもう会えない

と思っていたから、素直にこの誘いが嬉しかった。


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:36】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -3-
それから善文は詩織のほうをずっと見ながら歩いてきた。

詩織は動けなくなってしまった。誰かに「すみません」と声をかけられて、

詩織は自動販売機の前を譲った。


「ひさしぶりですね」

最初に声をかけたのは善文だった。

「地デジシンポジウム、いらしてたんですか」

「はい」

詩織は何を答えたら良いのか分からずに、ただもじもじ立っていた。

「そっか」

善文は両手を皮パンのポケットに突っ込むと、ふうっと

廊下をロビーの方へと視線を投げて

「このあと、パネルディスカッションですよね?見て行くんですか?」

と尋ねて、それから詩織の顔を覗くように視線を下げた。


背の高い善文と、正面からこうして話しをするのは初めてかもしれない。

善文はあの秋の日より大きく見える。

ここNHKホールは善文の庭先のようなもの。相変わらずたおやかな仕草に、

詩織は善文の貴族の気品を思い出した。さすが、NHK様さま。


「聞いていくつもりです。田辺さんは?」

詩織は少しだけ笑顔を作って聞いた。善文はまたロビーの方をふうっと見て、

眉間に少しだけ皺を寄せて

「どうしようかな、と思っているところです。はっきり言うと僕、

デジタル専門だから、今さら聞いても面白くないんですよ」

詩織は驚いた。デジタル専門?善文はあのコンペの時、

既にデジタル映像を作っていたのだろうか?詩織は完全に

負けたような気分になった。


「まもなく次のプログラムが始まります。ロビーにいる方々は席にお戻りください」

アナウンスが流れた。喫煙者たちが一斉に動き始めた。

詩織はカップ珈琲を買えなかった。

「それじゃ」

善文はそう言うと、廊下を来た方へと戻って行った。


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:35】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -2-
午後、二度目の休憩時間になった。

ここで退散する人が多いのか、詩織の左右に座っていた人たちが

一斉に席を外した。これ幸いと詩織も席を立った。


男性用トイレの前に長蛇の列ができていた。

こんな光景は滅多にないだろうと詩織は少し可笑しかった。

帰ったら同僚に報告しなければ。

ホールロビーとは反対側の廊下に人が密集している。

その先に喫煙所があるらしい。手前には売店があって

飲み物も売っていた。

ホール内は飲食厳禁。詩織は睡魔と闘うために、飴を

調達しようと思った。うまい具合にフリスクもあった。

詩織はペパーミント味を入手すると、その場でぴらぴらの

包装を破り、2粒口に入れた。これで最後のパネルディスカッションも

船を漕ぐことなくやり過ごせるだろう。


さらに廊下の奥に、飲み物の自動販売機があった。

喫煙者たちは販売機の前までいっぱいだった。

煙の中をくぐって販売機の前まで進むと、カップの珈琲もある。

ホールの中には持ち込めないが、詩織は缶コーヒーが苦手だった。

休憩時間中に飲み干してしまうことにして、ブラックの珈琲を買うことにした。


小銭を取り出そうと、鞄に手を突っ込みごそごそやっていた。

その時。

廊下の反対側から、すらっと背の高い和風美形男子が歩いて来る。

小さな花柄のシャツを皮パンの上に出し、サラっとした茶髪を

少し踊らせながら歩いて来る彼は、やはりこの場に浮いていた。

田辺善文。詩織にとって忘れられない人物だった。

小銭を出す手も止めて、詩織の目は善文に釘付けになった。

まさに全身、フリーズ状態。


善文の目が詩織の視線とぶつかった。黒や紺のスーツの

おじさまたちの中で、ベージュのジャケットに春らしい

淡い青のスカーフを巻いた詩織は、遠くからでも目立つらしい。

善文が一瞬、歩く足を止めた。

「あ。」声にならない善文の声が聞こえたように思う。


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:23】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
桜、早すぎる春 -1-
4月。むさくるしい偉そうな年配たちに混ざって、

佐倉詩織はNHKホール一階の中央付近の席に座っていた。

毎年、この季節に行われるデジタル放送のシンポジウム。

参加するのは初めてだった。詩織にとってデジタル放送は

地上だろうが衛星だろうが関係ない、そう思っていた。

しかし、今年はちょっと違う。

詩織はデジタル放送が視聴者に与える影響について強い

関心を持った。テレビに出来る新しい可能性について、

真剣に考えようと思っていた。


詩織の勤める日丸テレビは、デジタル放送開始は後発だった。

関連地方局の金銭的体力が弱かったせいもある。

放送設備のメーカー契約に時間がかかったせいもある。

そんなことも手伝って、しぜん詩織の興味は薄かった。

未だにデジタルチャンネルではサイマル放送をしているだけで、

NHKの紅白みたいな「お茶の間審査員」を試みる企画も無かった。


あることをきっかけに詩織はデジタル放送にしかできない、

大きな役割に気付いた。それは言い換えれば、詩織個人ができる

役割の模索に他ならなかった。

昨年の夏、アフリカにロケに行って以来、詩織はずっと考えている。

自分に出来ることは何なのか。


午後から始まったシンポジウムはNHK会長の挨拶で幕を開けた。

この様子は教育チャンネルで放送される。

ホールの中には大きな固定カメラのほかに、2台のハンディカメラが動いていた。


いよいよ間近となった地上デジタル放送に向けて、

放送局は視聴者に向けどんなサービスを展開する必要があるのか。

地上デジタル対応のテレビはまだまだ値が高すぎる。

電気メーカーがそれに反論する。そもそも視聴者にとって

地上放送のデジタル化はメリットが分かりにく過ぎるのだ。

そんな議論が続いた。


詩織は時々観客席に向けられるハンディカメラを意識しながら、

奥歯をかみしめて睡魔と闘った。

観客の多くはテレビ局関係者だろう。他に広告代理店。

新聞などのメディアも来ているだろう。おじさんばかり。

若くて姿形の整った詩織は、完全に浮いていた。


----------------------------------------------------------
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・組織とは一切関係ありません

テーマ:恋愛 - ジャンル:恋愛

【2008/01/23 22:20】 | 桜、早すぎる春 | トラックバック(0) | コメント(0) |
| ホーム |
プロフィール

GreenSummer

Author:GreenSummer
東京都在住

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。